セルロースナノファイバー!!
何だそれ?食べ物か?なんて思ったそこのあなた!!
今回は天然由来の「グリーン材料」で作られることから、環境に配慮した新しい材料として大注目のセルロースナノファーバーについてご紹介いたします!!
すごいものなんですよ!!
セルロースナノファーバーとは植物の主成分であるセルロースから抽出した繊維状の材料のことで、「ナノファイバー」という名前の通り、直径がnmのごくごく細い繊維です。
具体的には、数~数十nmで、長さが0.5~数μm程度です。
軽量で強度が高い、熱変形が小さい、表面積が大きい、透明度が高い、チキソ性がある、ガスバリア(気体の遮断)性を持つなど、さまざまな性能を備えています。
セルロースナノファイバーの欠点を探る
欠点1
セルロースナノファイバーは住宅の材料としても使われます!
しかし、施工時に従来のものとは異なる、専用シートを貼り専用機でブローイングするという現場での作業工程が増えるのでコスト大!!
お値段は業者によって変わりますが、数倍とまではいかないようです・・・
目安としては通常の一戸建ての外壁面で40~60万円前後です。
欠点2
住宅の材料として使われた場合、将来的に、セルロースナノファイバー自体の重みで沈殿してくることが考えられます。
そのため、セルロースナノファイバーの加重も家の設計時に考えておきたい項目になります。
どうやって出来る?その作り方とは!?
作り方
直径数十マイクロメートルで髪の毛の数分の1程度のパルプや綿の繊維をほぐしていくことで、セルロースナノファイバーは製造されます。
今までは、簡単にほぐすことができなかったので、使用されていませんでしたが、技術の進歩により、現在では、セルロースナノファイバーにほぐす方法がいくつか提案せれていて、実用的な価格で製造できるようになっています。
※身近にあるセルロースナノファイバー
身近にあるセルロースナノファイバーとして「ナタデココ」があります。
パルプなどをほぐすのではなく、微生物が直接セルロースナノファイバーを作ったのがナタデココです。
鉄より硬い!?車の材料にも!?その用途とは
セルロースナノファイバーは、軽くて丈夫なことが大きな特徴です。
「鋼鉄の5倍の強さ、5分の1の軽さ」とよく言われます。
これは高強度繊維として知られる炭素繊維やアラミド繊維とほぼ同じです。
ただ、この強さは、セルロースナノファイバー1本の強さなので、炭素繊維やアラミド繊維の強度とは違うことには注意が必要です。
ですから、炭素繊維やアラミド繊維のような使い方はできません。
2019年の東京モーターショーにセルロースナノファイバーで作られたボンネットやドアをもつ車、ナノセルロースヴィークルが登場!!
車の材料としても使われるように研究が進められています。
用途
プラスチックの強化剤
プラスチックは、金属に比べて軽くて錆びないという特徴を持っていますが、硬さや強度では金属に劣ります。
そのため、工業的な用途ではガラス繊維や炭素繊維で補強したプラスチックが使われています。
この補強材として、セルロースナノファイバーが使われ始めています。
透明補強フィルム
セルロースナノファイバーの透明性と強度を活かして、透明で高強度のフィルムを作ることができます。
これはガラス並みの硬さと透明性をもった、軽くて割れない材料です。
ディスプレイなどの光学材料への応用が期待されています。
増粘剤
セルロースナノファイバーを水との相性をよくするように改質した材料は、保水性があり、チクソ性によって力を与えて塗るときには液体で、塗った後形を保つという特性を持っています。
そのため、化粧品などへの応用が始まっています。
また、食品添加剤としても認可されているので、ゼリーや乳製品、アイスクリームなど多くの用途で使われ始めています。
まとめ
今回は今大注目のセルロースナノファイバーについてご紹介しました。
筆者の調べによると、一昔前からクリーンな材料として注目されていたようですが、製造工程が確立せず、高価な商品となってしまい、流通していなかったそうです。
しかし、技術の進歩により、少しづつ安価な材料として流通し始めました。
しかし、まだまだお高いものでありますので、これからの技術の進歩に期待したいと思います♪