栃木県が雷の多い理由はこれ!他県との違いなどを解説!

北関東(時には東北と間違われることも…)の一つであり、よく茨城県と群馬県との位置関係が間違えられる栃木県。

北には那須高原や日光東照宮をもち、南は関東平野が広がる、山と平地で構成された大地である栃木県ですが、雷が多いのはご存知でしょうか。

栃木県から他県へ移り住んだ私自身、懐かしく思うほどの、雷の多さが特徴的です。

夏と言えば、たびたび雷に見舞われ、学校にとどまったり、大雨の中、家路につくことがしばしばあったのが、青春の記憶です。

それが、他県に移るとどうでしょう。そうそうないのですね、雷って。

今回は、なぜ栃木県には雷が多発するのか、他県との比較と合わせて調査してみました♪

また、雷に見舞われた際の、正しい対処行動などについてもご紹介したいと思います。

これを読めば、栃木県に多い雷の仕組みがわかり、雷に対する知識をつけて正しい対処ができますよ!

栃木県 雷が多い理由は!?

栃木県の中でも、特に宇都宮市が雷が多いと言われ、宇都宮市からは雷が多いアピールが熱いです。

日本の中で夏に雷の多い件として有名ですが、なぜ、栃木県に雷が多いのでしょうか。

その原因は最初に述べたような地形にあります

北部には、1000~2000m級の山岳部がつらなり、南東方向に山の斜面が開いているため、日射を強く受けます。

さらに、夏季は、関東平野である南からの風が吹きやすく、強い上昇気流がおこりやすい状況となります。

そうして、入道雲のように、上へ上へと大きくなっていく雲の中で、氷の粒が激しく摩擦しあい、上の方では+の電気、下の方では-の電気がたまり始めます。

雲が大きくなるにつれて、電気も強くなり、雲の下の方にたまった-の電気が、地上の+の電気を目指して飛んでいきます。

飛んで行く電気、それが一度に流れるため、激しい稲光と大きな音を出します。

これが、“落雷”として姿を現します。

このとき、雷のエネルギーは、季節や雲の大きさによって異なりますが、およそ5万アンペア

これは60ワットの電球を約8万個、灯せるだけのエネルギーを一瞬のうちに放出していることになります。

平野からの風が山によって上へ向かい、雲を作って、大きな電気の動きがあって、雷が発生するのですね~

そのような地形にある栃木の中でも真ん中に位置している宇都宮市だからこそ、夏になると夕方は毎日のように雷が鳴る…という状況になるようですよ。

他県との違い!どれくらい違うの?

さて、栃木県は雷が多い、と言いますが、どれくらい多いのでしょうか。

実は、栃木県の雷の多さが目立つのは、夏だけなのです。

つまり、年間の雷発生件数でみると、他県に負けます。笑

国土交通省 気象庁HPから〈年間の雷日数〉


引用:http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder1-1.html

 

日本海側にご注目。

太平洋側に比べて、とても雷が多いですよね。

また、月別の雷日数(1981~2010年までの30年間)を見ると、宇都宮のような内陸部では夏に多く、金沢のような日本海側の地方では冬に多くなっていることもわかります。

国土交通省 気象庁HPから〈月別の雷日数〉


引用:http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder1-1.html

 

そうは言っても、ゲリラ豪雨の話題が熱い夏には、雷件数の多い栃木県が話題に挙がるのは当然の実績を積んでいるわけです。

しかし、夏だけを見ても、栃木だけが際立って多いわけでもありません。

北関東でくくられる他の県、群馬と茨城も負けずに多いのです。

この3県、多方面で順番争いしているので、安易に栃木が一番…というとクレームをくらうこともしばしば…

雷件数が一番多い!!というような大きい態度はとらずに、「栃木って雷多いね~」くらいで済ませておきます。

ちなみに、宇都宮には、「雷都物語」というご当地商品があります。

 

そして、雷神社と呼ばれるものは県内に30以上あるそうです。

そうした雷の多い件ですので、地元民の雷への対処行動は経験豊富だからか、素早いです。

雷が訪れるのを知ったらどうしたらいい?

それでは、雷の訪れを感じたら、私たちは、どのように行動したらよいのでしょう。

まず、避難先に最適なのは安全な建物の中です。

もし、近くに建物がなければ、車の中や窪みがある所へ避難しましょう。

ゴルフや登山中ですと、建物がない場合が多いですからね。

その場合、移動の際にも注意です。

基本は低い姿勢をとって移動し、木から2m以上離れましょう。

ただし、立木の根本に立つのは非常に危険ですので避けてください。

また、雨が小降りになったからといって、すぐにその場を離れるのも危険です。

雷鳴が完全に聞こえなくなるまで、身を守ることを第一に考えましょう。

そう思うと、青春の記憶で雷の中、びしょぬれで自転車で帰宅していた自分は相当危ないことをしていたんだなと、今更こわくなります。

さて、「すでに自宅に帰っていたよ~一安心☆」という方、あなどるなかれ、です。

ご自宅にPCやテレビはありますか?

雷の音が聞こえたら、PCやテレビ、ビデオデッキの電源を落としコードを抜くことをオススメします。

コードを伝って、電気機器類がショートしてデータを失ったり、機能が壊れたりする恐れがあります。

自分の身を守るのは勿論、家庭内の電気機器類も守るのをお忘れなく!!

また最近では落雷によって一時的に高圧電流が流れる(サージという)から電化製品を守ってくれるグッズもよく見かけますよね。

雷サージが流れてきた場合に、このタップの中にある吸収体が身代わりとなって、自宅の電化製品を守ってくれるという品物です。

身代わりになる、ということなので1回使いきりですが、 電化製品を使い捨てることを考えれば利用を検討された方が断然お得です。

ちなみに、私の知り合いで自宅に2度落雷を受け電化製品をやられてしまった人がいます。

彼はこの雷ガードを付けていたそうです。

彼曰く

「電線等を伝ってくる雷サージからは守ってくれるが、自宅に落雷したときはさすがに防げない(; ・`д・´)」

とのことでした。

備えあれば憂いなし、ですがあまり過信しすぎてもよくなさそうですね^^;

なお彼は趣味で無線をやっており、自宅の庭に巨大な電波塔を構えています。

そこに、、、2回落雷してます。笑

おまけで…雷という漢字の由来や、『稲妻』の語源とは?

最後に、余談です。

栃木県内にお住まいの方は、見たことがあるのではないでしょうか。

周囲に高い電柱や木があるのに、田んぼの真ん中に雷が落ちた跡を

そういえば、雷の漢字には、『田』が使われていますよね?

また稲妻ともいいますが、『稲』、これも農業に関連する漢字です。

何か関連ありそうですよね!?

まずは、『雷』という漢字ですが、3000年前に生み出された漢字であり、太古の人々は、『田』と読める部分を田んぼではなく、空気の塊と考えていた説があります。

空気の塊がぶつかりあい、大気がかき乱されて雷が起こる…という仕組みを経験から理解し、漢字にしたというのです!!

単に、田植えの時期に雷が多いから…というだけでないことに、驚きですね!!!

次に、『稲妻』の由来についてです。

この語源も古代にあります。

稲の結実時期に雷が多いことから、雷光が稲を実らせるという信仰がありました。

その信仰が漢字の由来ですが、実は、これは科学的に実証されているのです。

しかも実証したのは高校生というので驚きですね~

学校にある実験用の放電装置を使い、落雷と同様の状態を作りだしたそうです。

その中で、カイワレダイコンの成長の様子を調べ、放電しなかった種子に比べて、放電した種子の成長が、約2倍も速くなることを発見しました!

さらに、育てるための水道水にも、放電させた水を使ったところ、芽の伸びが2倍にとなる結果が得られたのです。

結果は、水に含まれる窒素の量にあったそうです。

なんと、放電させた方の水では、肥料の3要素のひとつである『窒素』の量が、1.5倍も増えていたのです。

古代の「雷の多い年は豊作になる」という信仰や知恵は、「窒素の増加により豊作となる」という現代の若者の知恵で根拠づけられたのです♪

現代の科学で立証できることを古代の方は経験で導き出していて、それを文字で伝えるとは…すごいですね。

おわりに

栃木県に雷が多いのは、地形にあることがわかりましたね!

また、一番とは言い切れず、北関東の他県と夏の一位を争っていますし、一年でみると日本海側には完全に負ける…ということも判明しました。

その日本海側のお米がおいしい理由、漢字の由来や科学的な研究で根拠づけられていて、納得できますね~。

そうは言っても、栃木県の夏は本当に雷が多いので、雷の音が聞こえたら、すぐに屋内とか車の中に逃げましょうね。

濡れた体は特に危険なので、早めの行動が必要ですので、心地よく安全な夏を過ごす知識として、覚えておいてくださいね。