日本製のコショウである、『山椒』。
うなぎにかけたり、和食に振りかけると独特の香りと刺激的な味で、旨味を増してくれます。
そんな山椒は、香辛料の一つですよね。
妊娠すると言われるのが、香辛料が入っている食事は控えるように…ということ。
そうすると、山椒は妊婦が食べるのはNG、ということなのでしょうか。
今回は、妊婦にとっての山椒OK? or NG?を調べていくとともに、妊娠していない方でも、山椒の食べすぎが起こす人体への影響についても調べてみました♪
妊婦は山椒を食べても大丈夫?
結論から言いますと、『食べても大丈夫』です。
基本、少量であれば、お腹のお子さんにも影響ありません。
しかし、何点か注意は必要なので、その辺をおさえていきましょう。
山椒の刺激は胃腸系の機能にNG
ほんの少しの量でも、強い香りと、刺激性の高い味をもつ山椒は、胃を刺激してくれます。
程よい刺激は、つわりに苦しむ妊婦にとって、助け舟となる刺激となります。
しかし反対にこの刺激が、胃腸が弱い妊婦さんの場合、胃腸系を荒らしてしまう可能性があるのです。
また、山椒の程よい辛さと言うのは単なる刺激ではなく、かつては麻酔にも使われていたほど、粘膜をマヒさせてしまうのです。
粘膜がマヒすると、消化する力、栄養を吸収する力が弱まり、結果、消化不良を起こします。
胃腸が弱い妊婦さんは、避けた方がいいようですね。
漢方薬に含まれる山椒の量が多いのはNG
そもそも、漢方薬も立派なお薬ですので、自己判断での服用ではなく、お医者さんで症状に合わせたお薬の処方をお勧めします。
そんな漢方薬の原料となるのが、生薬。
この生薬にもなりうる山椒の効能は、胃腸系の不調を改善するものだそうです。
注意すべきは、漢方薬に含まれる量です。
自己判断で漢方薬を選ぶと、妊婦が飲んではいけない量の成分が含まれている可能性もあるのです。
そもそも山椒はどんな作用があるのかな。
先に、ちらりちらりと、山椒の効用も述べていましたが、ここできちんとまとめましょう。
まず、山椒には主に4つの栄養素があります。
★サンショール
山椒の辛みの素。肩こりや神経痛、保温に効果あり。
★シトロネラール
山椒の独特な香りの素。食欲増進や消化促進、消炎作用があり、食中毒予防の効果あり。
★カリウム
血圧を正常に保ち、老廃物の排出に効果あり。
★ビタミンA
疲れ目や免疫力アップに効果あり。
これら4つが合わさると、以下のように作用してくれるのです。
- デトックス
- 冷え性改善
- 胃腸の機能向上
- 食欲増進
- 減塩分・減糖分
- 神経痛緩和
どれも、妊婦にとっては素敵な作用ですよね。
妊娠すると、どんどん体を動かしにくくなるし、体内の血液量が胎児にとられて少なくなるので、血のめぐりが悪くなります。
血のめぐりの悪さは、老廃物の蓄積や冷え性につながりますよね。
また、妊娠初期や後期でも、人によっては妊娠中ずっと、つわりで気持ち悪さを持つことも。
そんなときに、食欲を増進させてくれる作用をもつ山椒はごはんの強い味方なのです♪
胃腸の動きも良くしてくれるので、便秘や下痢に悩む方にも強い味方となります。
さらに、食事コントロールも必要な妊婦。
食べづわりであったり、ついつい食べてしまう…という結果、体重が増えすぎるという方には食事指導が入るもの。
そのようなときの食生活改善に、味にパンチを出しつつ、塩分も糖分も高くならない調味料として、山椒は使えるのです。
そして、腰痛などで、筋肉のこり固まりから、神経痛を患う方には、神経痛にきく、山椒の葉の作用が最適!
以上のように、体の中の様々なことを整えてくれる山椒は、食べすぎなければ、妊婦でも食べてOKで、むしろ、良い作用を起こしてくれるのですね。
食べすぎは妊娠していなくても悪影響あり??
さて、気になるのは、純粋に食べすぎによる作用です。
先ほど、胃腸の弱い妊婦さんには、刺激が強すぎ、麻酔成分のある山椒は控えるように!と述べましたが、妊娠していない方でも、注意する必要はあるのでしょうか。
…あるんです。
山椒の食べすぎは、効果が出すぎてかえって体調が悪くなるのです。
胃腸の弱くない人でも、食べすぎは消化不良を起こし、下痢をしてしまいます。
また、胃に負担がかかるので、嘔吐するなんてことも。
また、目の充血が起きたり、麻酔薬に使われていたエピソードを思い出すと、意識不明になる、とう事態を起こしかねないのです。
カリウムも豊富に含まれているので、心臓や腎臓に病気を持っている方は、特に注意が必要です。
医師や栄養士に相談してもよいかと思います。
おわりに
山椒の作用を調べていくと、全身の調子を良くしてくれる素敵作用がたくさんありましたね~
妊婦でも食べてOKだし、むしろ、つわりの時期には良い作用を生んでくれるとは…!!
辛いのが得意な方ですと、たくさんかけてしまうかもしれませんが、その量を間違えると後々大変なことになります。
単なる刺激物と思わず、『麻酔薬』の作用もあることを頭に入れておきましょう。
うまく料理に使えば、妊娠している、していないにかかわらず、体を温めてくれるので、ぜひ、色々なお食事にひとつまみ振りかけてみてはいかがでしょうか。