今度公開になる映画「苦い銭」。
中国ドキュメンタリーの巨匠ワンビン監督によるこの作品を注目されている方も多いはず。
今回は、「苦い銭」のあらすじや上映スケジュールなどについて調べてみました。
あらすじ
この作品は中国の出稼ぎ労働者をテーマにしたドキュメンタリー作品となっています。
中国雲南省出身の15歳の少女シャオミン。
彼女はその貧困状態を打開するため、1人浙江省湖州へと向かいます。
湖州は出稼ぎ労働者が集う街。
この街には個人経営の縫製工場が18,000軒以上乱立しており、そこで働く若者たちにフォーカスして物語は進んでいます。
時給16元。
1元約17円の現在、なんと日本円にしてわずか290円程度。
しかも服を作るという作業はとても大変で、来る日も来る日も服を作り続けます。
その苦しさからくる日々の言動や男女の会話、苦悩などが実にリアルに映し出されます。
それでも働かなければならない彼らを2014年から2016年までかけて取り続け、膨大な量の映像を静かに編集。
1つの作品としたのが本作”苦い銭”。
この映画タイトルは中国語で「苦労してお金を稼ぐ」という意味から来ているようです。
第73回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門では、ドキュメンタリー映画にもかかわらず脚本賞も獲得するというくらい、緻密な編集でストーリー性を持たせています。
当然ドキュメンタリーのため、キャストとして有名俳優が出ているということではありません。
それでも苦労に苦労を重ねる中国の貧困層の現実を、ものすごいリアリティを持って現した期待作と言えるでしょう。
絶望感を感じると同時に中国の若者への愛着が感じられる作品ではないかと予想しています。
試写会におけるレビューを見ると、以下のように表現されている方がいます。
貧困ドキュメンタリーはよく作られるが、
ここまで「人生」に迫ったものはないんじゃないだろうか?みんな必死だけど逞しくて強い。
ドキュメンタリーほんっとに苦手で、他の作品は冷めた目でしか観れなかったけど、これはすんなり観れた。
なんでドキュメンタリーなのにこんなに構図が決まってんだってシーンが多い。神。
ワンビン監督の特徴
ワンビン監督は、以前よりドキュメンタリー映画でヒットを生み出している、まさにドキュメンタリーの巨匠。
代表作として、
- 三姉妹
- 無言歌
- 収容病棟
などがあり、どれも名作と言える作品となります。
彼の作品の特徴は何といっても寡黙なカメラで社会問題を照らし出すそのリアリティ。
更にその中に奥深い人間らしさを表現します。
ワン・ビンと同時代に生きているのは楽しい
こう仰る方もいるほど、天才的な表現力をお持ちのようです。
今回公開される苦い銭を見る前に、これらの作品も見てみることをお勧めします。
上映スケジュール
最後に本作の上映スケジュールを紹介しておきます。
2018年2月3日公開予定。
シアター・イメージフォーラム他全国で見れるそうです。
東京 | イメージフォーラム | 2月3日~ |
仙台 | 桜井薬局セントラルホール | 近日 |
神奈川 | シネマ・ジャック&ベティ | 近日 |
神奈川 | 川崎市アートセンター | 近日 |
栃木 | 宇都宮ヒカリ座 | 5月12日~5月25日 |
新潟 | 市民映画館シネ・ウインド | 近日 |
長野 | 松本CINEMAセレクト | 近日 |
名古屋 | 名古屋シネマテーク | 近日 |
大阪 | 第七藝術劇場 | 2月24日〜 |
兵庫 | 神戸アートビレッジセンター | 3月10日〜3月23日 |
京都 | 京都シネマ | 近日 |
広島 | 横川シネマ!! | 近日 |
岡山 | シネマ・クレール | 近日 |
愛媛 | シネマルナティック | 近日 |