あの美輪明宏さんが歌う「ヨイトマケの唄」を知っていますか?
1966年に美輪明宏さんが作詞作曲し大ヒットした歌で、近年は紅白歌合戦で歌われたのがとても印象的でした。
「父ちゃんのためならエンヤコラ 母ちゃんのためならエンヤコラ もうひとつおまけにエンヤコラ~」
聴くほどに感情があふれてきてしまう素晴らしい歌ですが、今回はこの「ヨイトマケの唄」について、エピソードを交えながらみていきたいと思います。
また、「よいとまけ」という銘菓は、歌に関係があるのか?
など、「ヨイトマケ」を知り尽くす旅にご案内したいと思います!
ヨイトマケの意味とは?
はい、この歌を初めて聞いた時、「ヨイトマケって何?」と思いませんでしたか?
「ヨイトマケ」とは、工事の際行われる「地固め」のことを言います。
建築機械がまだ時代、重い物を滑車で上げたり下げたりする作業で、網を引き上げる時に「ヨイっと巻け!」という掛け声をしたそうです。
それがもとになり、建築で重しの槌や柱を上げ下げし、地盤を突いて地固めする労働や、それをする人を「ヨイトマケ」というようになったそうです。
ヨイトマケの多くは女性で、稼ぎの少ない夫を持つ妻や、夫に先立たれた妻が家族を養うための仕事でもありました。
そのため、ヨイトマケ=働く女性、という意味合いで使われるようになったようです。
なお現在は、機械を使って地固めをするため、「ヨイトマケ」を行うことはなくなったそうです。
ヨイトマケの唄の歌詞、エピソードを考察!
この歌の歌詞は、美輪明宏さんが幼少時に一緒に育った友人の亡くなった母親がモデルになっている、と言われています。
「ヨイトマケ」という日雇い労働が原因で、いじめられた悔しさなどが詞に織り込まれているようです。
子どもの頃に 小学校で
ヨイトマケの子ども 汚い子どもと
いじめぬかれて はやされて
くやし涙に くれながら
泣いて帰った 道すがら
かあちゃんの働く とこを見た
かあちゃんの働く とこを見た
紅白歌合戦で美輪明宏さんが歌った時には、おそらく見ている人すべてが、その歌詞と圧倒的な歌唱力に、テレビの前から動けなくなったと思います。
今では普通に聴くことができるようになったこの歌ですが、実は放送禁止になっていた時期があるのです。
歌詞の中に出てくる「土方(どかた)」という表現が差別用語に当たると言われ、その時からテレビで歌われることはありませんでした。
しかし、泉谷しげるさんや桑田佳祐さん、槇原敬之さんら大物ミュージシャンが相次いでカバーし、ついに封印が説かれ今に至ります。
これだけのミュージシャンにカバーされることが、この歌のすごさを物語っていますね。
よいとまけというお菓子あるけど関係ある?
北海道苫小牧市の銘菓に「よいとまけ」というお菓子があるのをご存知ですか?
北海道の名産「ハスカップ」ジャムを内側と外側に塗ったロールケーキで、とてもおいしいスイーツです。
同じ名前のこのお菓子は「ヨイトマケの唄」と関係あるのでしょうか?
はい、こちらは「地固め」ではありませんが、苫小牧の製紙工場の木場で、丸太を上げ下げする時の掛け声に由来し、外観も丸太をモチーフにしているそうです。
ロールケーキを「ヨイっと巻く」ということでしょうか。
共通して掛け声に由来しているんですね。
まとめ
いかがでしたか?
私は、美輪明宏さんの歌う「ヨイトマケの唄」を聴くと涙がこみあげてきてしまいます。
この歌に出てくる母親の生き方が、人として生きていく「道」を示しているように思えてくるからです。
最後に、モデルとなった母親が息子に言った言葉を紹介します。
今の私たちの胸に刺さる、グッとくる言葉です。
喧嘩が強いから偉いんじゃない。金持ちだから偉いんじゃない。勉強ができなくても貧乏でもそういうのは関係ない。一番偉いのは、とにかく正直で、お天道様の前に胸を張って、誰にも指さされないように一生懸命働いて、正直に生きる。それが一番偉いこと。だからお前は偉いんだよ。